移動平均線(Moving Average, MA)とは、
市場のトレンド判断や売買の目安として幅広く活用されている指標です。本記事では、SMA・WMA・EMA・DEMA・TEMAなど代表的な種類の特徴や、クロス、偽シグナルへの対策、他指標との併用など、ブログで読者に響く構成で体系的に解説します。
1. 移動平均線の主な種類と特徴
- 単純移動平均線(SMA)
指定期間の終値を均等に平均。滑らかな線になるためトレンドの全体像を把握しやすく、初心者にも理解しやすい反面、反応が遅い(タイムラグ)**特性があります。 - 加重移動平均線(WMA)
直近の価格に重みをつけ、直近の変動に敏感に反応。デイトレやスキャルピングに適する一方で、ノイズも拾いやすい傾向があります。 - 指数平滑移動平均線(EMA)
直近データに指数的重みを付与し反応速度を高めています。SMAよりも敏感に反応し、短期トレードに向いていますが、**レンジ相場での偽信号(ダマシ)**には注意が必要です。 - DEMA(Double EMA)/TEMA(Triple EMA)
EMAをさらに応答性高く設計した指標。ラグを削減し、トレンド転換をより早く察知可能です(DEMA)/高応答&低ノイズのTEMA。

各移動平均線の比較
上記は、各移動平均の期間設定を20に設定した場合の比較です。
同じ移動平均線でも、描画のされかたは当然違てきます。
ご自身の取引スタイルにあわせて使ってみてください。
2. 移動平均線の期間設定と用途
- 短期移動平均線(例:5日・10日・14日・20日・21日)
デイトレードやスキャルピングで直近の価格変化に素早く反応します。 - 中期移動平均線(例:50日・60日・75日・100日)
スイングトレードに適し、トレンドを安定的に把握できます。 - 長期移動平均線(例:100日・200日)
市場全体の大きな流れやトレンド転換を判断するのに有効です。50日MAと200日MAのクロスが代表的なゴールデン/デッドクロスです。 - フィボナッチ数列を用いた設定(5・8・13・21など)も、自然な周期とされ導入するトレーダーもいます。
フィボナッチ数列とは
フィボナッチ数列とは、「前の2つの数を足して次の数を作る」ルールでできた数列です。たとえば「0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13…」のように続きます。この数列は自然界の模様や植物の配置にもよく現れ、金融の世界では相場の動きや目標価格を予測するためにも使われています。特に「61.8%」などの比率は「黄金比」として知られ、トレーダーにも人気の指標です。
3. 基本的な見方と売買シグナル
トレンドの方向
- MAが上向き:上昇トレンド
- 下向き:下降トレンド
- 横ばい:レンジ(もみ合い)相場
急傾斜ほどトレンドの勢いが強いと判断されます。
価格とMAの位置関係
- 価格がMAの上にある:買い勢力優勢
- 価格がMAの下にある:売り勢力優勢
MAは動的なサポート/レジスタンスとしても機能します。
クロスシグナル
- ゴールデンクロス:短期MAが長期MAを下から上へ抜ける=買いサイン
- デッドクロス:短期MAが長期MAを上から下へ抜ける=売りサイン
ただし、特にレンジ相場では偽シグナルのリスクがあります。
パーフェクトオーダー
短期・中期・長期MAが同一方向に整列し順序が整っている状態です。
- 上昇パーフェクトオーダー:強い上昇トレンド
下降パーフェクトオーダー:強い下降トレンド - 継続性の高いトレンド示唆とされます。
4. 偽シグナルへの注意と対策
偽シグナルの発生傾向
- 短期設定ほど偽信号率が高く、とくにEMAではノイズに反応しやすくなります。SMAはより滑らかですが、反応は鈍いです。
対策方法と併用指標
- RSIやMACDなどのオシレーター系指標とセットでトレンド強度を確認する
- 複数時間軸(日足+週足など)で方向が一致していることを確認
- クロス時に一定以上の角度や終値+高値・安値基準のクロス判定などでフィルターをかける
- 他にもボリンジャーバンドや出来高との組み合わせも有効です。