ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドは、アメリカの投資家ジョン・ボリンジャー氏によって開発されたテクニカル指標です。
移動平均線を中心に、上下に「標準偏差(σ)」を基にした帯(バンド)を描き、価格のボラティリティ(変動性)を視覚的に把握しやすくすることで、今後の値動きを予測するために広く利用されています。
1. ボリンジャーバンドの構成
ボリンジャーバンドは以下の3本のラインで構成されます:

- ミドルバンド(中心線):通常、20日間の単純移動平均線(SMA)が用いられます。
- アッパーバンド(+2σ):ミドルバンドに標準偏差の2倍を加えた線。
- ロワーバンド(-2σ):ミドルバンドから標準偏差の2倍を差し引いた線。
※トレーダーのスタイルによっては±1σや±3σのバンドを表示させることもあります。
2. 標準偏差と確率の関係
ボリンジャーバンドで使われる「標準偏差」とは、価格の平均値(SMA)からの乖離の度合いを示す統計的な指標です。

正規分布を仮定すると下記の通りなります。
- 青バンド:±1σ内に価格が収まる確率:約68.3%
- 黄バンド:±2σ内に収まる確率:約95.5%
- 赤バンド:±3σ内に収まる確率:約99.7%
この確率に基づいて、価格が±2σを超えると「買われすぎ」や「売られすぎ」と判断するケースが多くなります。
3. ボリンジャーバンドの計算方法
- SMAの算出:
例:20日間の終値の平均
SMA = (P₁ + P₂ + … + P₂₀) / 20 - 標準偏差(σ)の算出:
σ = √[Σ(Pₙ – SMA)² / n] - バンドの算出:
- ミドルバンド:SMA
- +1σバンド:SMA + σ
- -1σバンド:SMA – σ
- +2σバンド:SMA + 2σ
- -2σバンド:SMA – 2σ
※推奨される移動平均線の期間は「20日」が一般的です。
4. ボリンジャーバンドの見方・活用法
● スクイーズ(Squeeze)

- バンドの幅が狭くなる現象。
- 価格の変動が小さい=レンジ相場の可能性。
- 突如として大きなトレンドが発生しやすい。
添付画像のようにトレンドが発生した際は、バンドが広がっていますが、収縮しはじめている現象のことです。
● エクスパンション(Expansion)

- バンドの幅が急拡大。
- ボラティリティの上昇・トレンドの発生を示唆。
● バンドウォーク(Band Walk)

- 価格が上位/下位バンドに沿って推移。
- 強いトレンドが発生しているサイン。
● バンド反発(逆張り)

- +2σ到達:買われすぎ → 売りサイン
- -2σ到達:売られすぎ → 買いサイン
※ただし、トレンド相場では「突き抜け」が頻発するため注意が必要。
画像は、上位足のレンジ相場になりますが下位足では2σにタッチされたら、しっかりと反発しているのがわかりますね。
5. ボリンジャーバンドを使ったトレード戦略
● 順張り戦略
- スクイーズ→エクスパンション
狭まったバンドが拡大し、ブレイク方向にエントリー。 - バンドウォーク
トレンドに乗ってバンド沿いに推移する価格に追従。
● 逆張り戦略
- バンドの反発
レンジ相場での端で反転を狙った売買。
+2σ=売り、-2σ=買いを基本とするが、トレンド発生時には不向き。
6. 注意点
- ダマシに注意:一時的にバンドを抜けてすぐ戻る動きが頻発。
- 相場環境の見極め:トレンドかレンジかを判断する目が重要。
- 他指標との併用推奨:MACDやRSI、移動平均、一目均衡表など。
- 確率は過去ベース:未来を保証するものではない点に注意。
- リスク管理は必須:損切り設定・資金配分は戦略以上に大切。
まとめ
ボリンジャーバンドは、相場のボラティリティを視覚的に捉える優れたテクニカル指標です。順張り・逆張りの両面で活用可能ですが、使用時はトレンドの強弱や他の指標との組み合わせ、そしてリスク管理を意識することが大切です。正しく理解し、戦略的に活用することで、より精度の高いトレード判断ができるようになるでしょう。う。