エンベロープ

FX用語集

MT4/5標準インジケーター:ENVELOPES(エンベロープ)とは?FXでの活用法と設定のコツを徹底解説

Envelopes(エンベロープ)は、

移動平均線をベースに、その上下に一定の「乖離率」でバンド(帯)を描画することで、相場の過熱感や反転ポイント、トレンドの強弱を視覚的に把握できるFXテクニカル指標です。

この記事では、エンベロープの基本から実践的な使い方、ボリンジャーバンドとの違い、FXでの効果的な活用法まで、初心者から上級者まで役立つ内容をわかりやすく解説。


1. エンベロープの基本構成と仕組み

Envelopesは、次の3つのラインで構成されます。

●ミドルバンド(中心線)

基準となる移動平均線(SMAやEMAなど)です。デフォルトでは単純移動平均線(SMA)が使われることが多いですが、より反応の早いEMAに変更することで、短期売買に対応しやすくなります。表示を非表示にすることも可能です。

●アッパーバンド(上方バンド)

ミドルバンドに「乖離率(%)」を加えたライン。価格がこのラインに接近・接触すると、「買われすぎ」のシグナルとして意識されます。

●ロワーバンド(下方バンド)

ミドルバンドから「乖離率(%)」を引いたライン。価格がこのラインに接近・下回ると、「売られすぎ」のシグナルとして注目されます。


2. エンベロープの計算式

textコピーする編集するミドルバンド = 移動平均(終値, N日間)
アッパーバンド = ミドルバンド × (1 + 乖離率)
ロワーバンド = ミドルバンド × (1 − 乖離率)
  • N:期間(例:20日SMA)
  • 乖離率:通常1〜2%が一般的ですが、通貨ペアやボラティリティに応じて調整が必要です。

3. エンベロープの見方・使い方【FXトレーダー必見】

◆ 逆張り戦略(買われすぎ・売られすぎの判断)

  • アッパーバンド到達・上抜け:買われすぎ → 売りサイン
  • ロワーバンド到達・下抜け:売られすぎ → 買いサイン
どんな時にインジケーターを使用するのか

レンジ相場(ボラティリティが低い横ばい相場)で有効です。
「価格は移動平均に回帰する」という性質を利用します。

◆ 順張り戦略(トレンド方向に沿ったエントリー)

  • バンド全体が上向き&価格がアッパーバンド沿いに推移:上昇トレンド継続中 → 買い戦略
  • バンド全体が下向き&価格がロワーバンド沿いに推移:下降トレンド継続中 → 売り戦略

👉「バンドウォーク」現象が確認できた場合、強いトレンド発生のサインです。

◆ サポート・レジスタンスとしての機能

  • アッパーバンド → レジスタンスライン(上値抵抗線)
  • ロワーバンド → サポートライン(下値支持線)

価格がこれらのバンドで反発しやすくなるため、反発狙いのエントリーポイントとして活用可能です。


4. エンベロープのパラメーター設定【実践的な目安】

設定項目解説
移動平均の期間短期(10~20):短期トレードやスキャルに最適
中期(50~75):スイングトレードに向く
長期(100~200):長期トレンドの把握
乖離率小さめ(0.5~1%):頻繁にバンド接触 → 逆張り向け
大きめ(2~3%以上):滅多に接触しない → 順張り・ブレイク狙いに有効

※適切な設定は、通貨ペアのボラティリティや時間足(例:5分足、1時間足、日足)によって調整が必要です。


5. ボリンジャーバンドとの違い【混同に注意!】

比較項目Envelopes(エンベロープ)Bollinger Bands(ボリンジャーバンド)
バンド幅一定(乖離率で固定)可変(標準偏差で変動)
基準値移動平均線 ± 乖離率移動平均線 ± 標準偏差×n(通常2σ)
適した相場レンジ相場で逆張りに強いトレンド相場で順張りにも強い

エンベロープはバンド幅が常に一定であるため、特に横ばい相場での逆張り戦略に向いています。一方、ボリンジャーバンドはボラティリティの変化に強く、順張り・逆張り両方に対可能です。


6. エンベロープ活用時の注意点

⚠ ダマシに注意(特にトレンド発生時)

トレンド相場で逆張りすると、価格がバンドを突き抜けて損失を出すことがあります。相場の地合い(レンジかトレンドか)を見極めることが必須です。

⚠ 遅行性のある指標

移動平均線をベースにしているため、反応が遅れるケースがあります。トレンド初動の取りこぼしには注意が必要です。

⚠ パラメーター調整の重要性

乖離率や期間の設定次第でまったく異なるシグナルを出すため過去の相場でバックテストして最適な値を探すことが鍵となります。


7. 他のインジケーターとの組み合わせで精度UP

単独使用よりも、以下のようなインジケーターと組み合わせることで、シグナルの信頼性が向上します。

  • RSI・ストキャスティクス:買われすぎ・売られすぎを裏付け
  • MACD・ADX:トレンドの発生と方向性を補完
  • 移動平均線(SMA/EMA):中期的なトレンドの方向を確認

要するに|エンベロープはFXにおける逆張り・順張りの万能インジケーター

Envelopes(エンベロープ)**は、価格の過熱感や反転ポイントを視覚的に判断できる、非常に有用なテクニカル指標です。

  • レンジ相場では逆張り戦略に最適
  • トレンド発生時には順張りでも使える
  • パラメーター設定を調整することで、自分のトレードスタイルに合わせやすい

「エンベロープ×RSI」や「エンベロープ×MACD」など、複数のインジケーターとの併用を前提に設計することで、より勝率の高いエントリーが可能になります。

自分のトレードスタイルに合わせてカスタマイズし、戦略的に活用していきましょう。

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