一目均衡表とは、
日本で生まれたテクニカル指標で、相場の動きや転換点を「視覚的に」把握できるユニークな分析ツールです。価格、時間、バランスの3つの視点から相場を多角的に読み解くことができ、FXや株式などあらゆるマーケットで活用されています。
一目均衡表の構成要素を理解しよう
一目均衡表は以下の「5本のライン」と「1つの雲(抵抗帯)」で構成されます。
名称 | 期間 | 概要 |
---|---|---|
転換線 | 9日 | 短期トレンドを示す。9日間の高値と安値の中間値 |
基準線 | 26日 | 中期トレンドを示す。26日間の高値と安値の中間値 |
先行スパン1 | ― | (転換線 + 基準線)÷2 を26日先に表示 |
先行スパン2 | 52日 | 52日間の高値と安値の中間値を26日先に表示 |
遅行スパン | ― | 現在の終値を26日前に表示 |
雲(Kumo) | ― | 先行スパン1と2に挟まれたゾーン。抵抗帯・支持帯として機能 |
一目均衡表の売買シグナル
▶ 三役好転(買い)・三役逆転(売り)
三役好転(強い買いシグナル)
三役逆転(強い売りシグナル)

▶ 転換線と基準線のクロス
- 転換線が基準線を上抜け の場合
- 転換線が基準線を下抜け の場合

▶ 価格と雲の関係
- 価格が雲の上 → 上昇トレンド
- 価格が雲の下 → 下降トレンド
- 価格が雲の中 → トレンド不明(レンジ相場)
▶ 遅行スパンの位置
- 遅行スパンが価格の上 → 買い優勢
- 遅行スパンが価格の下 → 売り優勢
一目均衡表を活用したトレード戦略
▶ トレンドフォロー戦略
- 三役好転を確認後に買いエントリー
- 価格が雲を上抜けたタイミングも有効
- 転換線が基準線を下抜けたら決済や損切り判断
▶ 雲を使った逆張り・ブレイク戦略
- 厚い雲:抵抗が強くブレイク困難
- 薄い雲:抜けやすくトレンド発生の兆し
- 雲のねじれ(先行スパン1と2の交差):トレンド転換の可能性あり
▶ ストップロス・利確の目安
- ストップロスは雲の反対側や直近の高安値に設定
- 利確はクロスや遅行スパンの動きから判断
⚠ 一目均衡表の注意点と限界
- レンジ相場ではダマシに注意:特にクロス系シグナルが頻発しやすい
- シグナルはやや遅行する:過去のデータで構成されているため短期売買には不向き
- 未来を予測するツールではない:先行スパンは未来に表示されるが、あくまで過去データの延長
- パラメーターは原則変更しない:初期設定(9,26,52)は長年の検証に基づくもので、基本的にはそのまま使うのが安全
💡 一目均衡表は「視覚でとらえる相場の地図」
一目均衡表は、価格・時間・バランスという3つの軸で相場を可視化する「地図」のような存在です。ローソク足分析や他のテクニカル指標と組み合わせることで、より精度の高い相場分析が可能になります。
最初は複雑に見えるかもしれませんが、各ラインの意味と関係性を理解すれば、トレードに大きな武器となるはずです。