MACD(移動平均収束拡散法)は、FXをはじめとする金融市場で広く使われているテクニカル指標です。トレンドの方向性や勢い、転換点を視覚的に捉えることができ、トレンド系+オシレーター系のハイブリッド指標として高く評価されています。
MACDとは?仕組みと計算式をわかりやすく解説
◼ MACDライン(主線)
短期EMA(12)と長期EMA(26)の差で構成され、トレンドの方向と強さを示します。
- 計算式: MACDライン = EMA(12) − EMA(26)
◼ シグナルライン
MACDラインの9期間EMA。MACDの動きを滑らかにし、売買の判断に使用。
- 役割: クロスを利用したエントリー判断の軸に。
◼ ヒストグラム
MACDラインとシグナルラインの乖離(差)を棒グラフ表示したもの。勢いの強弱が視覚的に分かります。
- 計算式: ヒストグラム = MACDライン − シグナルライン
【FX初心者向け】MACDシグナルの見方と判断法
◼ MACDクロスでのエントリー判断
- ゴールデンクロス: MACDがシグナルラインを下から上に抜ける → 買いシグナル
- デッドクロス: MACDがシグナルラインを上から下に抜ける → 売りシグナル
◼ ゼロラインの突破をチェック
- 上抜け: MACDがゼロラインを上回る → 上昇トレンド加速のサイン
- 下抜け: MACDがゼロラインを下回る → 下降トレンド継続のサイン
◼ ヒストグラムの拡大・縮小
- 拡大:トレンドの勢いが増している
- 縮小:勢いが衰え始めた可能性、クロスの兆し
【実践】MACDを使った2大トレード戦略
① トレンドフォロー戦略(順張り)
- 買いパターン: ゴールデンクロス+ゼロライン上抜け
- 売りパターン: デッドクロス+ゼロライン下抜け
フィルター推奨指標:
- 移動平均線(MA)
- ADX(トレンドの強さ)
② ダイバージェンス戦略(転換狙い)
価格とMACDの動きが逆行する現象を利用して、相場の転換を見極める手法。
- 強気のダイバージェンス: 価格は安値更新、MACDは高値切り上げ → 上昇転換の兆し
- 弱気のダイバージェンス: 価格は高値更新、MACDは下落 → 下落転換の兆し
補強要素として、ローソク足パターンやサポート・レジスタンスとの併用が効果的。
MACDを使ったエントリー・利確・損切りの目安
◼ ストップロスの設定
- MACDが逆シグナルを示したとき
- 直近の高値/安値を明確に超えた場合
◼ 利確のタイミング
- クロスの逆転が発生したとき
- MACDがゼロラインに戻る場面
- ヒストグラムが反転を始めたとき
【注意点】MACDを使う際に気をつけるべき5つのこと
- レンジ相場でのダマシに注意
→ ADXなどでトレンドの有無を確認しましょう。 - 遅延性があるため早すぎる逆張りは危険
→ あくまでトレンド追随型と認識。 - パラメーターの過度な最適化に注意
→ 基本の「12-26-9」から調整を。 - 時間足による違いを意識
→ 5分・15分足はシグナル多いが誤反応も多い
→ 1時間足・4時間足・日足などは安定しやすい - 他の指標と併用して精度を上げる
→ RSI/ボリンジャーバンド/ファンダメンタルズなど
まとめ:MACDを使ってスマートなFXトレードを実現しよう!
MACDは、トレンドの方向性+勢い+転換点を一つの指標で把握できる優秀なツールです。
クロスやゼロライン、ダイバージェンス、ヒストグラムなどのシグナルを活用し、他の分析手法と組み合わせることで、FXの勝率を確実に高めることが可能です。
まずは「12-26-9」の基本設定からスタートし、自分のトレードスタイルや通貨ペアに応じて調整していきましょう!